過去公演

第三回公演【幻想の方舟】
2012年9月26日(水)〜10月3日(水)@荻窪小劇場(旧アールコリン)
脚本:酒井一途 演出:岩渕幸弘(思出横丁)
出演:岩渕幸弘 / 坂田麻衣 / 有吉宣人(ミームの心臓) / 佐々木美奈
   橋本 / 小林依通子 / 中西良介(空かると)

   ※出演者の変更がございました。詳細はこちらをご覧ください。

 ―― 妄想のゆめよ 海原の奈落にしずめ 


■ Introduction
今まさに世界が滅びんとしているその時、ノアの方舟にゆらり揺られて平静を気取っていたところで、問題は何ひとつとして解決に至らない。 この拭えぬ不安定感、どうしてくれよう。行きつく場所もわからなければ、向かうべき方角すらわからない。錆びついた指針。失われた物語。それでも私たちは、自分だけは救われると信じている。まるで方舟に乗ったノアのように……

或いはタイタニック号。悲劇の豪華客船。絶対に沈まない、沈むはずはないと思われてた。誰しもが、そう思いたがってた。その幻想の産物。 たったひとつの誤りが惨劇を引き起こす。逃れられない。逃げ場はない。だってここは船の上で、見回せど広がる一面の海原が行く手を阻む。夢見る時代は終わった。かつて手を伸ばした先にあったはずのものは何処へ行ったか?

劇団旗揚げから早二年。僕は二十歳となり、相変わらずここにいる。理想に胸燃やすこともあれば、虚無感に浸されることもある。そうやって生きている。 また時には夢と現実の狭間で揺れ、船酔いしそうになることだってある。でもきっと人生とはそういうものなのだろう。乗り出した航海に戻る道はなく、ゆくあても知れず進みつづけるしかない。きっと、そういうものなのだろう。

ミームの心臓主宰 酒井一途  


■ ごあいさつ(当日パンフレットより抜粋)
詩人ハインリヒ・ハイネは「社会的な革命を推進しようとする作家」であった。彼は詩人として、いわばペン一本で革命を起こすべく「行動」したのであって、それ以上もそれ以下も望まなかった。書くことが彼にとっての革命であり、それより他に果たすべき道などなかったのである。

各人にはそれぞれ己のすべきことがあって、いかにしてそれを見つけ出すかということが問われる。そのような己の使命と直結するのは、その人が世界になにを求めるかに尽きる。求めるものがある人は概して孤独であり、なにものにも侵されることはない。ハイネもまた孤独を生き、紙の上に革命を実行した。畏敬する人物である。拠り所なき人々に、光与えられるようになれればいいのだが。

   悲しくなって夜空を見上げる そこでは無数の星が会釈する
   けれどぼく自身の星が どこにも見当たらない        -- Heinrich Heine



■ お客さまの声
夢と現実、光と影、希望と不安など人間社会の相反する姿を「方舟」に乗っている特異な人間たちによって顕在化されていく独創的な物語。
(CoRich舞台芸術!tetorapack様のご感想)

私は、前回公演「ケージ」で、すっかり酒井一途作品のファンになってしまった。
で、今回も楽しみに観たが、いやー、期待通りの面白い戯曲だった。
前作以上の、ストレートど真ん中の剛速球、という印象。「私たちはいま、どこにいるのか」「われわれはどこへ進もうとしているのか」「どう生きるべきか」等の根源的問いを、どうにか演劇というスタイルでやってみよう、という試みは、それだけで観る価値がある。
(CoRich舞台芸術!ミドル英二様のご感想)

虚無感が充満した果てのない迷宮のように思われる現実の中、微かに、確かに存在する光を真摯に(過剰にすることなく)描いた作品だった。虚無と過剰な光への警鐘。生き抜くために必要なニヒリズムを受け入れた上での力強い人間讃歌。脚本家の秘めた情熱と人間への愛と憂いが宿された作品。
(twitter@yasuda010830様のご感想)

ブログでのご感想まとめ
ツイッターでのご感想まとめ





■ Story
 港町のパブで、賭け事に勝って手に入れた一枚のチケット、
 それは誰もが夢見た「方舟」への乗船券だった――
 船に乗り込んだ男の前に現れる道化や美少女、性別不祥の謎の少年、
 そして見果てぬ夢を語る革命の女、ニヒリズムで大衆を煽動する男。
 狂乱のなかで退廃的なダンスパーティが幕を開け、方舟の運命が動きはじめる。
 一体この船はどこへ向かって進んでいるか?
 何を目的として、誰のために海原へと乗りだしたのか?
 やがて逃げ場のない船上で、思いもよらぬ対立が勃発していく……。


■ Cast
 岩渕幸弘(思出横丁)
 坂田麻衣
 有吉宣人(ミームの心臓)
 佐々木美奈
 橋本
 小林依通子
 中西良介(空かると)

※出演者の変更がございました。詳細はこちらをご覧ください。


■ Schedule
2012年9月26日(水)-10月3日(水) 全10ステージ
 9月26日(水) 19:30○
 9月27日(木) 19:30○
 9月28日(金) 19:30○
 9月29日(土) 15:30● / 19:30●
 9月30日(日) 11:30● / 15:30●
 10月1日(月) 19:30●
 10月2日(火) 19:30●
 10月3日(水) 18:30●
 ※受付・開場は、開演の30分前


■ Ticket
○公演前半(9月26日~28日) 一般2000円/学生1200円
●公演後半(29日~10月3日) 一般2300円/学生1500円
※当日券は各200円増


■ Access
荻窪小劇場(旧アールコリン)
 〒167-0051 東京都杉並区荻窪3-47-18第五野村ビル1F
 JR荻窪駅、東京メトロ丸の内線荻窪駅、南口出口より徒歩10分


■ Staff
 脚本:酒井一途
 演出:岩渕幸弘(思出横丁)

 照明:山本創太(声を出すと気持ちいいの会)
 音響:中村光彩(思出横丁)
 衣裳:里見純奈
 舞台美術:北澤芙未子(声を出すと気持ちいいの会)
 背景画:高木宏昌
 宣伝美術:田中博巳(TETRA FILM STUDIO)

 舞台監督:竹田悠一郎(空かると)
 照明操作:脇山萌
 音響操作:相馬麗
 写真撮影:林亮太
 映像撮影:窪田貴臣、山崎祥弥
 演出助手:炭田桃子(I^2if)、酒井小春、中島悠子
 制作補佐:臼田典生(ショービズプランニング)、垣内佐知
 当日制作:横塚夏奈(劇団さくらもち)、横井貴子

 企画・製作:ミームの心臓


■ 協力(敬称略・順不同)
思出横丁 / 空かると / 声を出すと気持ちいいの会 / 劇団螺船 / 実験劇場
TETRA FILM STUDIO / 水中めがね∞ / 劇団さくらもち / ショービズプランニング
Confetti / CoRich舞台芸術! / シアターガイド / 荻窪小劇場



■ 公演写真
クリックすると、大きな画像で表示されます。撮影:林亮太さん