過去公演

ミームの心臓プロデュース 企画公演【focus.神話】
2013年5月2日(木)〜8日(水)@王子小劇場


case.1 [神話] 公演フライヤー デザイン: サノアヤコ


新プロジェクト始動!気鋭の学生劇団を集い、【神話】をテーマに三作品の一挙上演!
ハイブリットハイジ座 (早稲田) × ミームの心臓 (慶應)× 四次元ボックス (日藝)

すっかり大人しくなった昨今の演劇界、祝祭的かつ混沌とした空間を生み出す刺戟的作品を引っ提げ、
ゆとりに叛逆した平成世代が新たに時代を築き上げるべく旗を掲げます。
学生演劇の枠を早々に飛び越え、大学外の劇場で活躍し実力を振るっている三劇団の競演。
弱冠21歳の主宰たちの描く鮮烈な世界をお見逃しなく!
【focus.】プロデューサー 酒井一途(ミームの心臓主宰)



■ミームの心臓参加作品【東の地で】
 脚本:酒井一途 演出:岩渕幸弘(思出横丁)
 出演:浦田大地(実験劇場) / 小林依通子

人間は結局、その罪から自由になることはなく、世界は分裂と対立に終わる。それが祝福に満ちた天地創造にはじまる原初物語の結論である。
ならば何故われわれはこうも苦しみ足掻きながらも、生まれてくることをやめないのだろう。何故われわれは心の奥底では愛を欲しながらも、真実から目を背けてしまうのだろう。ほんとうに守らなければならないものは、何だったんだろう。
ミームの心臓、初の二人芝居。性差を超えた恋、死者へと向かう愛、そして、死の欲動との対面。


■ごあいさつ(当日パンフレットより抜粋)

「神話」を書くとは、人間の本質といかに向き合うかという根源的な問題に取り組む行為に他ならない。たまたま物語として紡ぎ出された、世界と人間同士の関係性の在り方。それが「神話」と名付けられただけの話だ。すべては「神話」でありえるのである。なぜなら、とことんまで自己と向き合えばかならず、その先では世界と向き合うことに繋がってくるはずなのだから。
ただ「神話」というとどうしても表層的なイメージが強い。やれギリシャ神話だのケルト神話だの日本神話だのを思い起こせば、神々が愛しあったり争っている印象ばかりが頭に浮かぶ。いやそうではないのだ。人間が語りたいのはそんなことではないのだ。その物語の内奥に何を読むか。「神話」というものが長く語り継がれてきた意味は何なのか。それを突き詰めて考えれば、やはり人間は人間のことを語っているし、自分たちの生きる世界のことを語っているに違いないのである。
これからはじまる三作品の中から、お客さまが何を観るかはお客さまの想像の自由である。ただありのままに、そこに在る作品を観てほしい。その上で何を感じ、何を考えていただけるか。みなさんの心に何ものかが残れば、幸いと思う。

今回ミームの心臓で上演する新作は、『創世記』の中のある物語の構造を換骨奪胎して書きあげた。なんの物語かを言ってしまうと、「カインとアベルの物語」である。この有名な物語は、創世記中では文庫本でたった3ページの分量を占めるに過ぎない。それを現代という時代で日本人にも伝わるように考え、ほとんど白紙の状態から創作したのが『東の地で』という作品だ。紙として創世記を持ち出し、僕の言葉をペンのインクとして書きつけたと思ってもらえればいい。
語りたいことは数多あるが、作品を観ていただければそこに僕の言葉以上のものが現れてくるだろう。だからここには、脚本のエピグラフとして『創世記第四章七節』の一文を載せるに留める。

ーー 罪は君を渇望している しかし君が罪の支配者にならねばならないのだ ーー


■推薦コメント(敬称略・五十音順)
坂手洋二(劇作家・演出家/劇団燐光群主宰/日本劇作家協会会長)

酒井一途さんは、私の数少ない大学の後輩である。とはいっても私の息子と一歳違いだから、親子の年代差なのだが。慶應義塾大学出身の演劇人は劇団四季や新劇の時代とは違って、小劇場時代からは、少ない。つかこうへいさんも早稲田で演劇をしていたし、私も大学二年からは学外で演劇をしていた。酒井さんは、もともとから大学や世代の枠に囚われず活動しているようだ。そうした視野の広がり、柔軟さと真摯な頑固さが、酒井さんの身の上である。今回は「神話」だそうだ。なぜ「神話」なのか、私にはさっぱりわからない。大切なことは、「神話」には、「神話一般」はないということだ。「神話的」と「神話」も、まったく違うことだ。演劇が描くものは「具体」でしかない。その辺りの手続きを間違うと、大いなる矛盾、自家撞着の罠が待っている。おおいに悩んで、激しく苦しんでくれ。


滝内泉(プロデューサー/劇団四季『ライオンキング』日本公演立ち上げ、So-netブロードバンドシアタープロデュース)

こんな小さな劇場で、こんな古い手法に真正面から体当たりし、
こんなにも真っすぐにメッセージを伝えてくる若者がまだいたのか!
青臭くも鋭く、熱く伝える酒井氏の才能に強い嫉妬を覚える。
物語の根源である神話を、どう切り取りぶつけてくるのか?
その挑戦を目撃せずにはいられない。


仲村和生(ネビュラプロジェクト/キャラメルボックス チーフ・プロデューサー)

「ミームの心臓」の名は随分前から知っていた。もう何年も噂を聞いていたような気がするのに、まだ結成して2年で、酒井一途は二十歳になったばかりというから驚かされた。ここ数年、二十代の才気溢れる演劇人に注目していたが、その中で最も若いひとり。作家としての彼は品があり、演出家としての彼は懐が深い。そればかりか、プロデューサーとしての彼の企画には、胆力のような強さがある。願わくば野外で観てみたい大胆企画なのだが、王子小劇場も懐の深い劇場だから、きっとトンデモナイことになるだろう。大いに暴れて欲しいものだ。



■ 公演日程

2013年5月2日(木)-5月8日(水)

 5月   2日(木) 19:00 
 3日(金/祝)  15:00  19:00
 4日(土/祝)  11:00  15:00
 5日(日) 11:00  15:00 19:00
 6日(月/祝)  11:00 15:00
 7日(火) 15:00 19:00
 8日(水) 11:00 15:00

 ※受付・開場は、初回団体の開演30分前です。二、三団体目からご入場いただいても構いません。
  但し各回入替制のため、引き続いて次の回の一団体目を鑑賞することはできません。
 ※公演はハイブリットハイジ座→ミームの心臓→四次元ボックスの順番で上演します。
 ※上演時間は各団体1時間前後、作品間に休憩を挟みます。休憩中の劇場への入退場は自由です。

各団体の上演開始時間は以下を予定しております。当日の状況により前後する可能性がございますのでご了承ください。
朝公演:11:00~ハイジ座、12:10~ミーム、13:20~四次元
昼公演:15:00~ハイジ座、16:10~ミーム、17:20~四次元
夜公演:19:00~ハイジ座、20:10~ミーム、21:20~四次元


■ チケット料金

一般 2,500円 / U24 1,700円

※三作品すべてを鑑賞できるチケットです。一作品のみでの販売はありません。
※U24は24歳以下どなたでも対象となります。
※当日券の料金は各300円増。開演二時間前までのご予約は前売料金にてご案内します。


■ チケットご予約


1.タイムテーブルからのご予約
 【 公演初日/5月2日(木)19時の回、3日(金)15時の回、完売御礼! 】
 【 売行大好調につき、5月5日(日)11時開演の回、追加公演決定! 】
  
2.CoRichチケット予約ページから
  ミームの心臓チケット予約ページ

3.メールでのご予約
  件名を「チケット予約」とし、以下を明記の上メールにてご連絡ください。
  「1.お名前 2.ご来場日時 3.ご予約人数 4.一般/U24」
  info*heart-meme.com (スパム対策のため「*」を「@」に変えてお送りください)
  制作部からの確認メールをもって、ご予約完了となります。


■ 会場へのアクセス

王子小劇場
 東京都北区王子1-14-4 地下1F

JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅より徒歩5分。
JR京浜東北線は北口、東京メトロ南北線は4番出口から北本通りを直進。「鑑定倶楽部」の地下。


■ スタッフ

照明: 山崎佳代 / 音響: 中村光彩(思出横丁)、江田健太郎 / 美術: 村上薫
舞台監督: 小川陽子 / 舞台監督補佐: 臼田典生 / 宣伝美術: サノアヤコ
制作: 里見真梨乃(ハイブリットハイジ座)、垣内佐知 / 当日運営: 永田フネ / 広報: 一ノ瀬貴志
企画・製作: ミームの心臓 / プロデューサー: 酒井一途


詳しくは企画公演【focus.神話】公式WEB SITEへ!