過去公演
■過去公演【ブランク】
2009年8月1日(土)〜2日(日) @慶應義塾高校第三音楽室
作・演出:酒井一途
出演:山縣幸典 / 武井寛貴 / 内田裕大 / 中村友哉 / 藤榮愛香 / 上田郁子
有吉宣人 / 関根悟 / 藤原光基 / 高橋俊成
――時が崩れていく。
五分前に見えていたはずの私の姿は、
今、此処にない。
■Heal the World
つい先日、電車内で深眠りしてしまい、舟を漕いでいるうちに、右隣の人の肩に頭をぶつけてしまった。恐縮しながら「すいません」と言うと、白髪混じりのその男性は、優しく「いいよ、寝てろ。着いたら起こしてやるよ」とおっしゃった。温かくこちらへ向けられた目に、僕の心はぬくもりに満ちた。
他愛もないエピソードかもしれないが、僕は深く感動した。電車内には周りの存在を完全に無視して、自分の世界に入り込んでいる人が多い。冷たく、無表情な仮面で表情を隠した人ばかりがいる、そんな暗闇の閉鎖空間に、ただ一点の光が灯るように温かさが存在していた。想像してみてほしい。それは頭に描けば描くほど素敵な光景だ。
人の心は感染する。感染する心に愛憎は関係ない。愛は新たな愛を生み、憎しみは新たな憎しみを生むこととなる。だが負の連鎖はいつか断ち切らねばならない。誰か一人でも憎悪と真っ向から対峙してそれに打ち勝つことが出来たなら、そして憎しみの代わりに愛を与えることが出来たなら、きっと世界は変えられる。少しでもより良い世界が作れる。その誰か一人が現れるために、憎しみと戦うその人のために、周りの人の温かさが不可欠だ。どんな些細なことでもいい。たとえ微かな光でも、闇に救いの扉は開く。
どうかあなたには温かくあってほしい。一つの温かさは感染し、また新たな温かさを生みだす。そしていつかあなたが施した温かさは、太陽ほどの大きさに育ち、多くの人の暗闇を明るく照らしつけるだろう。それは確かに世界を癒すことになる。
本日はご来場ありがとうございます。ほんのわずかでも僕たちの温かさを感じてもらえれば、その温かさをまた誰か他の人に分け与えてもらえれば、これほど嬉しいことはありません。。ごゆっくり、お楽しみください。
■ストーリー
現代日本。ある若き一流医大教授が逮捕される。
大衆に白い目で見られながらも、必死に無実を主張する教授に襲いかかる苦悩。
次第に追い詰められていく心理劇の行く末に、何が待ち受けているのか…。
■公演日程
1日(土) 12:30~● / 16:00~★
2日(日) 12:30~●
※ダブルキャストの為、●は中村友哉、★は藤榮愛香の出演となっております。
※開場は開演の30分前です。
■キャスト
山縣幸典
武井寛貴
内田裕大
中村友哉 / 藤榮愛香(Wキャスト)
上田郁子
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有吉宣人
関根悟
藤原光基
高橋俊成
■スタッフ
舞台監督:鴇澤勇貴
演出助手:白濱一樹
照明:尾形康介,松本翔吾,内田裕大,本山瑠子,末永黎緒
音響:高橋俊成,佐藤大志,大川いず実,鎮目那波
衣装:園田亮輔,廣田英恵,町田果南実
大道具:武井寛貴,藤原光基,中村友哉,水野由佳子,藤原薫
小道具:関根悟,有吉宣人,強口彩香
宣伝美術・劇中映像:田中博巳
広報:高橋俊成
企画・製作:慶應高校・女子高校演劇部